はなく、連続的な燃焼であるため、爆発による爆発音やシリンダーの爆発的な上下運動が無く、振動騒音が小さく静粛性に優れている。
(3)前述のように、スターリングエンジンの理論熱効率は、カルノーサイクルと同等となるため、高熱効率が期待できる。
(4)スターリングエンジンは密封サイクルであるため、作動媒体(ヘリウムや水素ガス等)の流れをコントロールするパルプなどがなく、構造が簡単で低騒音となる。
一方で、その開発当初には、スターリングエンジンは以下のような改善課題も有していた。
(5)外燃式機関であるため、ヒータ、クーラの熱交換器を必要とし、またため圧縮比を大きくできなく容量、重量に対する出力は小さい。
熱交換器をコンパクトにするためには、伝熱と流れの性能を向上させる必要がある。
(6)作動媒体が外部に漏れないよう、信頼性が高く摩擦の少ない高性能のシール装置が必要となる。また、スターリングエンジン本体が圧力容器となるため、重量増加の一因ともなる。
しかし、前述のように、国内外における多くの研究開発により、シール性能や熱効率が向上し、これに伴い小型・軽量化が達成される等、開発当初、スターリングエンジンの抱えていた改善課題は解消されてきた。
d.海中動力源としての要求
現在、海中、海底で活躍している潜水機種としては、有人潜水船、無人潜水機、海底ステーション等が挙げられる。
有人潜水船では、その動力源として主に鉛電池、亜鉛電池、ニッケル・カドミウム電池、銀・亜鉛電池等の二次電池が使用されている。二次電池は出力密度が高く、無騒音でクリーンであり、使用・保守管理も簡便であるため、海中動力源として優れているが、一方では、搭載船の船体規模や連動性能面上の制約などにより、搭載可能な電池システムには限りがある。このため、電池システムを搭載した潜水機種では、その連続使用時間が限られ、1日1回数時間の、しかも限られた局所的な調査活動を余儀なくされている。
無人潜水機としては、有索式、無索式、又は曳航式等多種の潜水機種が活躍している。
有索式又は曳航式の潜水機種では、主に海上支援船からテザーケーブルを介し所要動力の供給を受けており、これにより長時間連続での運用が可能である。しかし、テザーケーブルを有する潜水機種では、潮流による流体力の影響等により、潜水機種の動きが制限されたり、複雑な地形や海中の構造物にテザーケーブルが絡まり損傷する危険性がある。
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